フランス、アメリカでも大人気に!おにぎり市場をさらに拡大させる方法とは
フランス、アメリカでも人気
おにぎり専門店の開業が相次いでいるのは前述の通りだが、単に数が増えているだけでなく、おにぎりそのものも進化している。
FBIホールディングス(神奈川県)は2023年4月、おにぎり専門チェーンの「おにぎり こんが羽田空港店」をオープンした。「おにぎり こんが」は、東京都豊島区大塚にある、創業60年超の老舗おにぎり店「おにぎり ぼんご」が監修、唯一出店を認められたという店だ。
古式精米法による高級な米を使用し、さらに具材にも特徴がある。鮭や梅、昆布などの定番のほか「じゃこ生七味」「明太クリームチーズ」など種類も豊富に揃える。羽田空港の国際線ターミナルがある建物の一角にあり、日本人のほか外国人も行列している。
贈答需要を取り込もうとするケースもある。2021年7月オープンの「マルムス」は、まん丸のおにぎりを専門とするショップ。原材料の米は、山形県産の「つや姫」や「雪若丸」といったブランド米を使用。具材も、あぶり焼き豚やうなぎなどを組み合わせ、約20種類のラインアップを揃える。
価格は1個300〜400円。見た目のかわいらしさもあり、知人、友人へのプレゼントとして買い求める人も多いという。
日本のソウルフードともいえるおにぎりだが、人気は海外にも波及している。
フランスではパリにおにぎり専門店の出店が集中している。駅構内に店があるほか、普通のスーパーマーケットでも「おにぎりコーナー」を特設している。1個600円程度で販売されており、すでに定番商品の地位を獲得した。注目されたきっかけは、日本のアニメや漫画を通じてというのも興味深い。
アメリカでは、ハンバーガーなどと同様にファストフードのような感覚で食べられている。人気の追い風となったのは、日本と同様、コロナ禍におけるテイクアウト需要の拡大。日本食ブームや口コミで認知が広がり、さらにファンが増えている。
国内外で注目のおにぎり。生産性の高い商材でもあり、具材を工夫するほか、新たな喫食シーンを提案できれば、さらなる需要取り込みも期待できるだろう。
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定価:1650円(本体1500円+税10%)
発行年月:2022年03月
ページ数:276
ISBN:9784478090787