登場から半世紀のコンビニ、次の50年を生き延びる方法とは

2024/07/12 05:58
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効率的な配送を構築

 半世紀にもわたり成長を続けてきたコンビニ。これほど長期にわたり伸び続けた業態はほかにない。中でも「セブン-イレブン」は、消費者ニーズや経営環境などの変化へ対応するため「業務改革」を徹底し、業界に与えた影響は大きい。

 変化に対応し、小さな店舗で商品を効率的に展開するためには、きめ細やかな単品管理と発注が不可欠になる。その中、情報システムを構築、POSをマーケティングに初めて使用したのは「セブン-イレブン」だった。

 1978年、コンピュータシステムを活用した発注端末「ターミナルセブン」を開発。店舗の発注データは同システムを通じて本部へ集約する体制を構築した。また本部からベンダーへ正確に情報を届けるため、1979年には専用ネットワークによるデータ送信をスタートしている。

 物流改革も忘れてはいけない。まさに「物流イノベーション」とも言える取り組みにより、効率的な配送の仕組みを構築したのも「セブン-イレブン」である。

 まず手がけたのは、発注・納品単位の小口化。小規模な店舗にとって在庫を適正に抑えるために不可欠な施策だった。さらに東京・高島平に倉庫を設け、そこに販売する商品を集約、共同配送をスタートさせた。これらにより創業当初、1店舗当たり70台/日も必要だった配送車両は9台と大幅に削減することに成功した。

 インフラとしての機能を付加するため、銀行をつくったのも「セブン-イレブン」である。現金の手持ちがない状態で終電を逃した人はじめ、ピンチを救われた人は多いはずだ。

 これらのように数々の取り組みで、支持を得てきたコンビニ。だが現在、この業態は岐路に立っていると私は見ている。たとえば加工麺の価格は物価高騰で、現在、大半が500円以上。所得水準の低い人が利用するには抵抗がある。価格のほかにも、品揃えについても不満を感じる生活者が増えているのだ。

 単身世帯が全体の4割、「買物難民」も1000万人になると言われる現在の日本。その中、次の50年を生き延びるためにはコンビニがいかに商品、サービスを変えていけるかが重要だ。

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