Tシャツ店から「グラフィックライフストア」へ華麗な転身!グラニフの再成長戦略

2024/05/22 05:59
油浅健一
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組織体制も刷新し、唯一無二の事業体へ

グラニフバッグ
特に人気の高いキャラクター「BEAUTIFUL SHADOW」と「IKAKU」

 アパレル業界では、機能性やコスパが選択基準になりつつある。ある意味ではファッションの醍醐味が減退傾向にあるだけに、ワクワクしながら商品選定できる同社のアイテムは、より際立つのかもしれない。

 「リブランディング後の同社の業績は」といえば、「2023年6月期でいえば売上は約110億円、前年比126%で、着実に伸びている」と勝部氏は大きな手応えがあることを明かした。

 取り扱うアイテムの多様化に伴い、組織運営体制も村田社長のもと刷新。それまではやや直感的だったという商品開発や販売計画の立案などを、組織編成から見直し、プロダクトも数字やデータからニーズやトレンドを予測することで、よりムダなく、売上をブラさないよう最適化した。

「これまでは商品開発がこんな商品を作ったので売って欲しいと伝え、店舗やECコマースのチームが別々にプロダクトの紹介をするなど、別々に活動していた。それらを組織全体で計画し、場当たり的な商売からブランド全体で構造化する商売への転換を図った」(勝部氏)

 よく言えばこれまではクリエイティビティを活かすやり方だったが、一方で計画性がなく、業績が落ち込むと回復が難しくなりかねないリスクがあった。そこを役割別に大きく組織を再編成することでより計画的に、さらに販売データなども最大限に活用し、マーケティング力を強化した。

 併せて、それぞれのキャラクターのペルソナを明文化、緻密に世界観を特定することで、ものづくりやコミュニケーションのブレを排除。キャラクターを主人公にした絵本の出版もそうした施策をより効果的にする一環だ。また、重点キャラクターを絞り込むことにより、展開商品数やマーケティングリソースを分散させず、熱烈なファンづくりと商売効率性の向上を図ってきた。

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