Tシャツ店から「グラフィックライフストア」へ華麗な転身!グラニフの再成長戦略
2021年、リブランディングでTシャツ屋から脱却
そうした中で2020年、新社長として村田昭彦氏が就任する。同氏はオンワード樫山を経て、ネットプライスなどに在籍した後、2007年にベイクルーズに入社。EC事業の売上高を大きく増進させた。その村田氏が、同社のポテンシャル最大化を見据え、着手したのがリブランディグだ。
村田社長とともに、リブランディングの指揮をとった同社ブランドディレクターの勝部健太郎氏が明かす。「リブランディングにあたり、まず着手したのはステイトメントの再定義。我々が何を提供したいのかを考え、行き着いたのが“グラフィックのある豊かな暮らしを提供する”こと。Tシャツだけはなく、グラフィック製品全般を取り扱うブランドに生まれ変わった」
アイテムを絞り、個性を軸にアパレル業界で存在感を示してきた同社。それをTシャツ以外のアパレルアイテムや雑貨全般へ広げるとなると、事業の大変革にも思える。だが、同社の顧客はTシャツに描かれるキャラクターの熱烈なファンが多く、むしろアイテムが増えることを歓迎する土壌がある。それこそが、同社がこれまで20年以上にわたり、蓄え、磨き上げることで培われた“ポテンシャル”だ。
Tシャツにプリントされたキャラクターで同僚や友人との話が盛り上がる、プリントされたキャラクターがかわいくてマグカップを買う、個性的なグラフィックのパーカーを着て出社して「おしゃれ」と言われる…。アイテムが増えれば、日常の中で人の目につくシーンが増え、そこで会話の機会が発生する。そうして、なにげない日常に変化や刺激が与えられ、それが豊かな暮らしへとつながる。