めざすはデジタル発の製菓メーカー! おやつサブスクのスナックミーのユニークすぎる事業戦略

崔 順踊(リテールライター)
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デジタル発のおやつ体験メーカーに!

 サブスクビジネスは2020年頃から盛り上がりを見せ、現在はさまざまな定額制サービスが“乱立状態”にあり、消費者の財布をめぐってしのぎを削っている。顧客からすると、商品やサービスを楽しむ選択肢が増えた一方で、事業者側から見ると、競争が激化し、以前のような成長ペースを維持するのは難しくなりつつある。

 そうした環境下、スナックミーではさらなる成長をめざすべく、小売向け販売・卸事業の展開を進めている。2021年4月から「ファミリーマート」での販売をスタート、22年からは「ナチュラルローソン」でもスナックミーの商品の扱いを開始した。そのほかにもイオン(千葉県)グループの各店舗などに販路を拡げている。

人気商品の「北海道産皮付きじゃがいものフライドポテト」

 今後の展開について、服部氏は「当社は『おやつと世界を面白く。』という理念を掲げており、これを実現するにはサブスクとECだけでは足りません。製菓業界は長い歴史があり、トップメーカーの売上高は2000億円以上と大きな差があります。スタートアップである当社は、『デジタル発の新しいおやつ体験メーカー』としてこれまでにない新しいアプローチで、そうした大手メーカーに肩を並べる存在になりたいと考えています」と話す。

 「大手の製菓メーカーの有名ブランドは、売上高で約100億円の規模があると言われています。定量的な目標としては、当社もまずはそれぐらいの規模をめざしたいと考えています。ただ、大きな数字を追いかけるのではなく、新しいかたちの『おやつ体験メーカー』をめざすというのが、長期的なビジョンです」(服部氏)。

 服部氏が述べる長期ビジョンを実現するために重要なるのは、やはり「リアル小売」という販路だ。スナックミーでは、当面のあいだ、先述の直営店の拡大のほか、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストアといった小売チェーンのへ販路拡大に注力するとしている。サブスクを飛び越え、メーカーのポジションをめざして成長を続ける同社の展開に注目だ。

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