アダストリア木村治社長インタビュー「リアル×EC」とパートナーとの共創で新たな成長描く!
「店舗数×売上」で成長できる時代ではない
――店舗戦略について、今後ブランドごとに店舗数はどこまで増やすイメージでしょうか。
木村 「グローバルワーク」のような基幹ブランドはある程度店舗数を増やす必要がありますが、ブランドによっては店舗数を増やすことがかえってブランドを毀損することにもなります。
そもそも、前提として「店舗数×売上」でリニアに成長していける時代ではないのではないか、と考えています。
――ECが重要な成長戦略になると。
木村 そうです。極論をいえば、ECだけで売れるのが最も効率はよいです。一方で「アダストリアの強みとは何か」という問いを突き詰めると、リアル店舗があって、そこにスタッフがいるということに行き着きます。だからEC単体で考えるのではなく、常に「リアル×EC」を軸にして考えています。
当社には、スタッフのスタイリング投稿が閲覧できる「スタッフボード」があり、全国の店舗にいる約4000人のスタッフが日々、思い思いのスタイリングを動画や写真で日々投稿しています。
リアル店舗というベースがあるからこそ、ショップスタッフの存在が強力な「コンテンツ」となり、ファンを獲得して、結果としてECでの売上が上がっているわけです。
――今後のECの成長イメージを教えてください。
木村 現状の国内EC売上が626億円で、中期経営計画では800億円を目指しています。その目標に向けての投資も、情報システム、物流、人材育成と毎年のように継続しています。投資にゴールはないですね。