アダストリア木村治社長インタビュー「リアル×EC」とパートナーとの共創で新たな成長描く!
マルチブランドでポートフォリオを最適化
――売上総利益率とともに、販管費の抑制も定量目標に掲げています。販管費はアパレル業界に共通する課題でもありますが、どう改善を進めていますか。
木村 中期経営計画にも示していますが、当社では、50を超えるブランド群を収益型・成長型・独立型の3つのグループに分類しています。したがって、販管費に対する戦略は一律ではなく、グループごとに変わってきます。
例えば成長型の新規ブランドに関しては、ある程度販管費をかけてでもブランドとして認知させることが優先されます。一方、収益型に関してはある程度認知度があるので、販管費を抑えながら収益を確保していく必要があります。
具体的には、最大の柱として500億円規模の「グローバルワーク」があります。次に200億円以上の「ローリーズファーム」「ニコアンド」「スタディオクリップ」がある。これらの基幹ブランドだけで1000億円以上はあります。ここであまり横ぶれしないようにベースを確保しておけば、ある程度リスクをとって成長型のほうに投資することができる、という考えです。
――基幹ブランドが確立されているからこそ、マルチブランドでポートフォリオを組みながら、全体として販管費を最適化する戦略がとれるのですね。
木村 かつては、「マルチブランドは効率が悪い」と多くの批判を受けた時期もありました。しかし、結果的にこのマルチブランドが今のアダストリアの強みになっています。