国際認証「B Corp」コンサルと投資のシグマクシス・グループが取得の理由と意外な効果とは
人材育成方針を新たに制定
同社は取得後の2023年3月に人財育成方針を新たに制定した。社員は「人材」ではなく「人財」として、「社員の成長と価値創造が、組織の成長の源泉。多様な人財がモチベーション高く能力を発揮し、持続的に成長しながら、自分らしく、いきいきと価値創造に取り組める環境の実現を目指す」ことを宣言した。
これはまさに「B Corp」取得による、会社の「進化」に他ならない。同社 C&C コミュニケーションの池田多恵氏は、次のように補足する。「われわれは知恵とネットワークから価値を創造し、対価をいただく仕事。そうなるとやはり人が全て。社員のパフォーマンス向上が会社のパフォーマンス向上につながる」
「B Corp」取得のプロセスで、もともと根付いていた同社の顧客との向き合い方を整理し、磨き上げ、明文化。そうすることで、全社員、そして対外的にも、そうした理念をより浸透させやすくなったといえるだろう。
本物だからこそ大きくなる課題
環境問題や社会課題に真剣に取り組む企業にとっては、数字では表せない相乗効果が期待できる「B Corp」。一方で、齋藤氏は「自分たちが取得しただけでは未来は創れない。同じ志を持つ企業がコラボレーションして、輪を広げていってこそ、意義が大きい。日々その課題が大きくなっているように感じる」と課題をあげる。それだけに、より多くの企業も巻き込んでいく推進力もより強く求められる。
幸い、日本でもここ2、3年で取得企業が増加しており、今後数年で20社を超える勢いだ。
単なるトレンドではなく、時代が求める地球が存続し続けるための必然ーー。経営課題の解決や、企業の変革をミッションとする企業が包括的なベネフィットをピュアに追求するという事実は、逆説的に、とってつけたような環境対策ではもはや生き残れない時代が到来したことを示しているともいえるのかもしれない。