Z世代とコラボし手帳デジタル時代にヒット連発!OEM主業 老舗メーカーのアジャイル開発とは
“多国籍軍”のプロジェクトチームがスピード開発の秘密
「毎年平均で3種類は、新作のオリジナル手帳をリリースしている」と、代表取締役社長の伊藤亮仁氏は語る。伊藤手帳の社員数は、パート・アルバイト含め50人に満たない。その規模で、しかもOEM製造をメーンとしながら、これだけの頻度で新作をリリースできるのは驚きだ。
ユニークな手帳を次々に生み出せる伊藤手帳の強みは、大きく二つある。一つは、「社長直轄のプロジェクトチーム」体制だ。
商品企画の専属部署はあえて設けず、「EC事業部や法人担当の営業部などさまざまな部署の社員が都度集まり、プロジェクトチームを組む」(伊藤氏)。そこに社長である伊藤氏も入るので、商品企画を承認するまでの意思決定のスピードが速い。
この“多国籍軍”のプロジェクトチーム体制には、社長である伊藤氏の「ECや営業などの仕事を通じて普段からお客さまの声を聞いている社員が手帳を作るべき」との考えも反映されている。ECや営業で普段からカスタマーサポートをしている社員が自ら商品企画をするので、ユーザーの声をそのままアイデアに反映させることができる。
もう一つは、商品企画から製造、出荷までの一貫管理体制を持っていること。
「商品企画のアイデアを思いついたら、すぐ工場に依頼してサンプルにできる。形にすることで商品化のイメージが鮮明になる」(同)
新進気鋭のスタートアップさながらのスピード感で、企画からサンプル作成、商品化まで一気通貫で行い、定番商品も常に改良を重ねている。このアジャイル開発のようなスピード感が、大手企業にはない強さだ。