調剤薬局大手のクオールホールディングス(HD、東京都港区)は8月5日、人材サービスのビズリーチ(東京都渋谷区)が運営するサイトを通じて、中小薬局からの事業譲渡の公募を始めた。後継者不在などで事業継続が困難な調剤薬局から、事業の譲渡を受け付ける。
事業承継のためのM&A(買収・合併)プラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」で、10月4日まで公募を続ける。事業を譲りたい薬局運営者は匿名で応募でき、サイトでの登録から成約まで利用料はかからない。
クオールHDは約800店の薬局を展開しているが、これまで全国70社の中小薬局から事業を譲り受けてきた実績がある。中小薬局は個人経営が多く、後継者の不在や経営難に悩む薬局オーナーも多い。
厚生労働省は2025年までに全ての薬局を「かかりつけ薬局」にする方針だが、かかりつけ薬局に移行するには薬剤師が認定薬剤師の資格を取得する必要がある。また、かかりつけ薬局は患者に対する24時間対応や在宅対応が求められるため、中小薬局にとっては移行のハードルが高い。