インフレ下で岐路に立つ格安均一価格戦略 鳥貴族が模索する新たなビジネスモデルと進化形とは

2023/03/24 05:56
油浅 健一
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問われるのは「脱格安」でも顧客を維持するための戦略?

 「やきとり大吉」買収で1000店舗超えを果たし、規模の力は手に入れた。今後はアフターコロナと脱デフレトレンドの下でいかに付加価値を訴求しながら顧客を確保し、単価を上げていくかが問われることになる。

 実質的に格安居酒屋とはいいにくくなる中で、品質に対する割安感、つまりコスパのよさを適正に受け入れてもらえるマーケティングも重要になってくる。接客をベースにしたサービス力の向上もこれまで以上に重要になるだろう。

 さらにトリキバーガーのような非居酒屋業態を軌道に乗せることも、中長期を見据え、安定的な成長には不可欠だ。確実にシュリンクする国内市場に頼らない、海外展開も一層重要になる。

 やきとり大吉を正式に傘下に加えて発進した2023年。外食産業を取り巻く環境が大きく変化する中で、同社自体もリソースの最大化・最適化など、成長を停滞させないための進化が強く求められる。社会が脱デフレトレンドに傾く状況下で、どんなスタンスで苦境を乗り越え、成長曲線へと自社をのせるのか。

 その動向は、そのままアフターコロナにおける居酒屋の生き残り策ともシンクロし、デフレ下で急成長を遂げた同社にとっての新たな成長へ向けた一歩となりそうだ。

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