インフレ下で岐路に立つ格安均一価格戦略 鳥貴族が模索する新たなビジネスモデルと進化形とは
「質」の追求とトリキバーガーの新展開
だからこそ、こだわり続ける質の部分は妥協なく追求し続ける。国産へのこだわりはそのままに、日本の農業を応援する期間限定メニューの提供もその一環。国内産のみずみずしいキャベツを使用した「春採れキャベツの豚バラ回鍋肉串」や旬のニラを使用した「鶏レバニラ串」「パワーラーメン」など、質にこだわった付加価値の高いメニューを提供することでコスパは落とさない。
別業態であるトリキバーガーについては、都内の既存2店舗の売上が低位安定し、当初の想定売上に到達していないことから、ビジネスモデル・ブランドの刷新に踏み込む。既存モデルでの新店は凍結し、新たに見直したモデルとして大阪市内に今年、3号店をオープンする計画だ。大倉社長の肝いり施策でもあり、中長期的に同社事業の柱にするという方針に変更はなく、激戦のファストフード業態を勝ち上がれるスタイルを追求する。
海外進出にも本腰を入れる。4月には100%子会社を米国に設立。飽和と縮小で先細り必至の国内市況を見越し、海外でも「鳥貴族」ブランドのインパクトを浸透させ、将来を見据えたグローバル展開で市場拡大を加速する。