老舗の増永眼鏡、仮装試着サービスで若いお客の「来店」が増えている理由
鏡では一目で分からない周囲からの目線も確認できる
実際に仮想試着サービスを利用した来店客からは、好評を得ている。
「自分では絶対選ばないメガネを提案されるのがおもしろいと言われる。さらに、自分の眼鏡姿をさまざまな角度で確認できるため、客観的に似合っているか判断しやすいという声もあった」と荒川氏。
メガネをかけているとき、周囲から見られる角度は真正面より横や斜めなどだ。仮想試着サービスによって客観的に自分を見ると、メガネの選び方が変わるのだという。
また、店頭で作成したアバターのデータはクラウド上に保存されるため、その後自宅や外出先でも試着サービスを利用できる。店舗で作成したアバターを基に、自宅でメガネの着せ替えをして、家族に相談しながらフレームを決める顧客もいる。
「店頭では試着しづらい派手なメガネも、仮想試着なら試しやすいというお客さまもいる。また、度数の高い眼鏡を使用している人は、店頭でレンズの入っていないフレームを試着しても自分の姿を正確に確認できない。仮想試着サービスなら、自分の姿をきちんと確認できる」
AIは似合うフレームを勧めるが、本人の好みまでは反映できない。その点は、店員が接客して提案するという。「品質にこだわるお客さまにどれだけファンになってもらうかが重要だ。接客を通じたコミュニケーションや提案を大事にしている」(荒川氏)