土谷美津子、岡田尚也両氏に聞く!ビオセボンの成長戦略 Vol.1
土屋社長(当時)インタビュー
2月22日、イオン(千葉県/岡田元也社長)傘下のビオセボン・ジャポン(千葉県/岡田尚也社長)はオーガニック専門店「ビオセボン」の9店舗目となる富ヶ谷店(東京都渋谷区)をオープンした。土谷美津子社長(当時、現・イオンリテール副社長)と、3月から新社長となった岡田尚也氏(当時は営業部長)にそれぞれビオセボンの成長戦略を聞いた。
オーガニック専門店 渋谷区にオープン
──まず、本日オープンの「ビオセボン富ヶ谷店」についてお伺いします。
土谷「こちらの店舗では、これまでの店舗よりもイートインスペースを広くとり、くつろげるような空間をつくっています。タワーマンションの1階という立地も特徴的です。このマンションは新築で、続々と入居者が増えてきている段階です。」
──この店舗で9店舗目の出店となります。出店する立地についてはどのようにお考えですか。
土谷「このエリアには出店してほしいという声が以前よりずっとありました。だからこそ、このエリアには出店したいという思いがありました。」
オーガニックの井村屋のあずきバー
──商品面ではどのような特徴がありますか。
土谷「まず、野菜売場では、もちろんオーガニックなのですが、時短・簡便商品も揃えるようにしました。最近、オーガニックのカット野菜を販売し始めました。オーガニックをお求めになるお客さまでも、手軽に調理できる、というニーズはあると思います。」
──日配、冷凍食品についてはいかがでしょうか。
土谷「日配品についてはMD(商品政策)を変えている、というわけではありませんが、お客さまの要望に応えられるよう、品揃えを少しずつ増やしていってます。
冷凍食品についても品揃えを増やしています。たとえば、アイスクリームでは、『井村屋』のオーガニックのあずきバーも揃えています。一時期なかったのですが、復活しました。フランスのビオセボンだけでなく、日本メーカーのオーガニック商品の取り扱いが増えてきています。」
欧州では当たり前!?何度も使えるラップ
──注目の新商品はありますか。
土谷「オーガニックのラップは面白い商品です。オーストラリアの商品ですが、ヨーロッパでは当たり前になりつつあります。オーガニックコットンと麻でできた生地に、蜜蝋を塗ることで少しべとべとした感触で、商品と密着させることができます。それによって、商品の鮮度を保つことができます。」
──どのように利用するものですか。
土谷「1年間、洗って何度も使うことができます(電子レンジの使用は不可)。欧米では、プラスチックの使用が環境配慮で控えられるようになってきています。その一環として、オーガニックのラップも普及してきているそうです。」
楽天とのコラボ商品!「Ragri」のカットサラダ
──総菜ではどのような商品がありますか。
土谷「注目商品は、苦難と苦闘の末に商品化することができた、楽天がつくっているオーガニック野菜『Rakuten Ragri(ラグリ』)のサラダです。
楽天さんとはもともと取引がほとんどなかったのですが、愛媛県でオーガニック野菜を育てている農園を持っていらっしゃいます。また、JAS認証を取得したカットサラダ用の工場も持っています。国内でJAS認証の工場を持っているところはほとんどないのです。
産地でパックするのですが、西日本の豪雨で、産地が全滅になってしまいました。工場も水に浸かってしまいました。私たちも諦めかけていたのですが、楽天さんの資本が入っていたこともあり、想定よりも早く復旧することができ、商品化にこぎつけることができました。“感動もの”のサラダです。」
──ほかにも、新しい取り組みはありますか。
土谷「総菜では、初めてレンジアップのグラタンを販売しています。オーガニックのグラタン、ドリアです。メーカーさんにつくってもらっているのですけど、おいしいですよ。品質にこだわった方々がつくっていますからね。
あと、有機のおにぎりも販売し始めました。イオンの総菜製造を担当するイオンフードサプライが製造しています。」
──売上高構成比はほかの店舗とあまり変わらないですか。
土谷「住宅地なので、麻布十番店(2016年12月オープンの、ビオセボン・ジャポンの1号店)に近い品揃えです。やはり生鮮食品の構成比がほかの店舗よりも高くなっています。
アイテム数は標準程度で、1400~1500SKUくらいです。品揃えを増やすというよりは、アイテムを改廃していくほうが大事だと考えています。」