「良品廉価」「戦いを楽しむ集団づくり」を実践、売る力を育成する=ウオロク 葛見久則 社長
とはいえマーケットにはいろいろな規模や特性がありますし、競合関係によっても大きく変わってきますから、統一フォーマットで多店舗化していく体制は当社ではなかなか難しいと思っています。
将来の消費環境の変化も見据えたうえでの話ですが、今後も個々のマーケットに合致した商売の仕方・店舗のサイズを案件ごとに考えていきます。
──すでに決まっている新店の予定と今後の出店戦略を教えてください。
葛見 3月に売場面積550坪の葛塚店(新潟市)を出店し、7月には売場面積800坪の柏崎店(新潟県柏崎市)を出店することが決まっています。
今後の出店については、できれば毎年、2店舗の新店を開発していきたいです。出店エリアについては、ドミナントの深耕を図るべく、今回出店する柏崎店と既存商圏の間を埋めていきます。一方、新潟市内についても、まだ4~5店舗ほどの出店余地があると思いますから、しっかりと拠点づくりに努めたいです。
──次に実験中の小型店業態「ウオマサ」についてですが、1号店である次第浜店(新潟県聖篭町)の状況はいかがですか?
葛見 ウオマサは、既存のSMでは採算が取れないマーケットにおいて、黒字にできる商売のやり方は何かと考えた結果、生まれた業態です。
出店エリアの考え方は、(1)田舎で人口が少なく、マーケットも小さい、(2)街中で十分な敷地が確保できない場所です。いずれも周囲にSM店舗がないために、お客さまが困っている地域です。そうした地域は新潟県内にたくさんありますから、そこで何とか利益が出せるように、まずは人口が少ないエリアで、1号店の実験を行ったわけです。
次第浜店は売場面積150坪で、まだ黒字化してはいませんが、徐々に好転しており、早期に黒字化達成を図りたい。
都市型小型店についても、急いで実験を始めたいと思っており、今物件を探している最中です。都市型店舗は売場面積100坪ぐらいの規模でやってみたいと考えています。
──小型店を展開するに当たっては、店舗収益性を高めるために、プロセスセンター(PC)も開設しました。
葛見 基本的に、生鮮4部門のうち、鮮魚のお造りの一部と総菜を除いた商品に関しては、PCから供給しています。もちろん小型店1店舗にだけ供給していたのでは、PCとしての採算がまったく合いませんから、全店に向けて供給しています。とくに精肉については、供給している店舗数もPC商品比率も高まっています。
将来的には、物流センターを開設する構想がありますので、そこに新たにPCを併設させる計画です。今回のPC開設は、そのためのノウハウを蓄積する意味合いもあります。3~5年後には売上高1000億円態勢を見据えた物流センターが竣工できると思います。
──売上高1000億円を中期での目標に掲げているわけですが、その達成はいつごろになりそうですか?
葛見 10年3月期の売上高は約590億円を見込んでいますから、今後順調に出店することができれば、あと5~6年ぐらいでその数字達成が見えてくるのではないでしょうか。