「卸不要論」を一蹴? 好調続く飲食料品卸に待ち受ける次なる課題とは
卸売業者の喫緊の課題は……
近年、卸売業者が小売業者へ提供している高付加価値サービスの1つに、低温度物流が挙げられる。日本加工食品卸協会によると、卸売業の売上を商品分野別にみると、常温品がほぼ横這い、酒類が低下傾向にあるなかで、低温品の取扱いが拡大している。
冷蔵品・冷凍品の売上高構成比は、09年は2割程度だったが、19年には3割強となっている。英ユーロモニターによると、日本の家庭用冷凍食品市場の売上高は、年平均成長率でみると、コロナ前(16-19年)では4.3%、コロナ禍(19-21年)では9.2%と、それぞれ世界全体の伸び率(3.1%、6.8%)を上回っている。
21年度売上高2兆円超で業界最大手の日本アクセスでは、売上の5割以上が冷凍・チルド品の低温度帯商品となっており、同社では低温度物流の一層の効率化を取り入れた「フローズンマザー物流センター」の構築を国内各地で進めている。
高島氏は「飲食料品の卸売業者にとって取り組むべき課題は、コストの約5割を占める物流費の改善だ」と指摘する。燃料費高騰のなか、卸同士の共同配送が進展している。これまで、国分グループが三菱食品、伊藤忠食品の商品を一緒に運んだり、逆に三菱食品が国分の商品を代配するなど、地域毎に取り組みを進めている。「経費を削減しつつ、小売企業に対して高付加価値のサービスを提供し続けていけるかが、卸売業者存続のカギとなりそうだ」(高島氏)。
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