過去最高業績更新のアスクル、さらなる飛躍に向けた打ち手は
「売上成長カーブ」を変える!
アスクルは、2025年度の最終年度に連結売上高5500億円、連結営業利益率5%、連結株主資本利益率(ROE)20%の実現をめざす中期経営計画を掲げている。
2年目となる23年5月期は「売上成長カーブを変える年」と位置付け、4つの最重要戦略である、①BtoB最強ECサイトの構築、②戦略業種と品揃え拡大、③Zホールディングスとのシナジー、④プラットフォームの改革を今期も着実に実行していく。
各戦略を一つずつ見ていくと、①のECサイトの構築については、7月に新アスクルWebサイト機能の一部先行リリースとして、一括購買ソリューション「ソロエルアリーナ」サイトおよび中小事業所向けサイトをオープン化する。これにより、外部の検索エンジンからサイトへの直接訪問が可能になり、従来からの購買管理機能、ボリュームディスカウント、検索からの最速購入、パーソナライズドリコメンドを結集・強化し、テレワーク対応の新機能も追加することで、利便性向上や買い回りの拡大を見込む。
②では、戦略業種である製造業や医療・介護業種向け専門商材の認知を向上させるため、今期からYouTubeやネット広告などを活用しながらリブランディング施策を開始する。品揃えについては単に拡大するだけではなく、商品情報の充実やリスティング広告といった、購入を促す仕組みづくりを強化することで、現在の取扱商品数合計 1179 万アイテムを今期は1400万アイテムまで拡大する。とくに前述の2大業種向けオリジナル商品開発を強化し、現在の8700アイテムから1万アイテムをめざし、戦略業種の売上成長を加速させる。
広告ビジネスを強化!
③のZホールディングスとの連携では、BtoC事業「LOHACO」の収益事業化の実現するため、今期は広告ビジネスを強化する。21年6月にリニューアルした「LOHACO 本店」と「LOHACO PayPayモール店」両店の相乗効果を最大化し、LOHACO限定販促施策の継続や日用品ECに最適化されたUI/UXを展開することで売上高および収益性を改善していく。
④のプラットフォームについては、同社の強みである高速・高効率物流を進化させ、ロングテール商品の「明日来る」の実現をめざす。東日本フラッグシップセンターとなる「ASKUL東京DC」(東京都江戸川区)も2022年11月下旬に稼働を開始予定で、物流生産性の向上が見込まれる。
BtoBビジネスの新サービスについては、オフィス通販からのトランスフォーメーションに向けた新サービスの第1弾として、メーカー向け広告ビジネスの開始を予定している。また、ソフトバンクグループ各社との連携により「物販以外の領域へのサービス展開」として中小事業所向け新サービスについて検討を開始している。
これらの計画を実施することによって2023年5月期は利益水準を維持しながら成長カーブを変えることに注力し、売上高は対前期比6.3%増の4555 億円、営業利益は同1.3%増の145 億円、経常利益は同0.2%増の143億円、当期純利益は同2.1%増の 94 億円を見込み、さらなる飛躍をめざす。