過去最高業績更新のアスクル、さらなる飛躍に向けた打ち手は
法人向けオフィス用品の通販サービスや一般向けECサイト「LOHACO(ロハコ)」を展開するアスクル(東京都/吉岡晃社長)は年7月1日、22年度5月期通期決算を発表した。前期は過去最高業績を達成し、他業種との協業も積極的に展開。EVトラックや再生エネルギーの使用などサステナブルな経営にも力を入れる同社。最新決算の概要に加え、今後の戦略についてレポートする。
計画通りの着地で増収増益
アスクルの22年5月期業績は、売上高が対前期比1.5%増の4285億円、営業利益が同2.8%増の143億円、経常利益は同3.0%増の142億円、当期純利益が同18.7%増の92億円で、前期に続いて過去最高業績となった。
BtoB事業は新型コロナウイルス感染対策商品の特需の減少や、生活様式の変化によって文具などオフィス用品需要の減少があったものの、注力分野である飲料水などの生活用品、Eコマース需要の増加による工場や建設現場、倉庫などで使用される消耗品・補修用品などのMRO(Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称)商材の売上高が伸長し、増収となった。
また、インターネット広告などの活用による顧客基盤の拡大や、医療・介護業種や製造業などを中心とした専門商材の品揃え拡大も奏功した。
BtoC事業では、国内売上における巣ごもり需要の反動などがある中、海外向け需要が増加したことや2021年6月に「LOHACO本店」をヤフー(東京都/小澤隆生社長)が提供するシステム基盤に移行しリニューアル、Zホールディングス(東京都/川邊健太郎社長Co-CEO)グループとの販促の連携強化により、計画通りの増収となった。
ロジスティクス事業では、物流業務受託の拡大などにより大幅に収益が改善し、下期において営業損失から営業利益への転換を達成した。