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第47回 ウィズコロナ時代のショッピングセンターは「商圏力」が重要になる理由

2020年、我々を襲ったコロナショック。緊急事態宣言に重点措置。店舗は休業や時短を迫られ、市民には行動の自粛が求められた。おかげでリアルな場所であるショッピングセンター(SC)は大きくダメージを受ける。ところが大きなダメージを受けたSCもあれば受けなかったSCある。それどころか前年比を超える好調SCまで登場した。この差は何か。今日のテーマはこの現象を出発点とする。

7maru/istock

ビジネスの基本である集合と移動を制限されたコロナ禍

 2020年に始まったコロナ禍は我々に3密の回避を迫った。3密とは、①喚起の悪い密閉空間、②多数の集まる密集場所、③間近で会話や発生をする密接場面を指す。

 途中からアルコールや飲食店にその矛先が集中した感はあったが、とにかく人と人の接触を減らすことを目的に在宅ワークの推奨、興行や宴席の中止、行動の自粛が求められ、人の移動は大きく減退した。

 これまで我々は集合を基本とした生活をしてきた。会社、学校、イベント、会食、セミナー、パーティ、興行、観戦観覧など例を挙げればキリがないほど我々は日常的に集合し時間を消費してきた。

 ビジネスでも参加料、入場料、観覧料など人を集めることを前提に組み立ててきたわけだが、このビジネスの基本である集合を否定したのが新型コロナウイルスだった。

 当然、集合には移動が伴う。移動手段は、電車、飛行機、車、徒歩、自転車など。中でもビジネスや娯楽には電車の移動が多くを占める。特に都市圏では、地下鉄を含め移動に電車を日常的に利用することから移動制限によって最も影響を受けたのが鉄道駅だった(図表1)。この2年間減少を続け、それと合わせるように「小売・娯楽」分野も低迷している。

出所:googleコミュニティモビリティレポートのうち、筆者が日本(東京都)について抜粋加工したもの。基準値は、2020 年 1 月 3 日〜2 月 6 日の 5 週間の曜日別中央値 

食料品売上が減少しなかった理由

 この移動制限によってダメージが少ないどころかプラスに作用したのが食料品を中心とした店舗だった(図表2)。生きるためには食べなければならないのは当然としてステイホームの生活スタイルによって住まいの近くにある店舗は大きな影響を受けず、同様の立地にある商業施設も都心にある施設に比べると大きな影響を受けるに至らなかった。いわゆる

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