阪急うめだ本店が「ラグジュアリーブランド」を強化する理由とは

野澤正毅
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阪急うめだ本店ならではの限定商品やイベント

 とりわけ、阪急うめだ本店が強化しているのが、得意とするラグジュアリーブランド。2021年度第3四半期(1012月)の同店の売上構成比では、ラグジュアリー商品が36%に達しており、食品に次ぐ売上げ規模となっている。

 「コロナ禍以降、本物志向がいっそう高まっており、ジュエリーや高級時計、インポートのバッグ、レザーグッズといったアイテムの売上が伸びている。富裕層のお客さまによるリベンジ消費もあるだろうが、一般のお客さまも、価値あるラグジュアリーブランドをお買い求めになるケースが増えている」と、佐藤氏は見ている。

 阪急うめだ本店は、ファッションブランドの品揃えで日本有数だが、それは、取扱うブランドやアイテムが多いという“量”だけの問題ではない。商品の“質”もトップレベルなのだ。例えば、同じラグジュアリーブランドでも、阪急うめだ本店の「エクスクルーシブ(限定品)」「先行販売」といった、ほかの百貨店では手に入らない、独自性の高いアイテムを多数展開している。それらを目当てに、全国から富裕層が集まってくるという。

 ラグジュアリーブランドも、阪急うめだ本店限定のイベントを開催している。それだけ、阪急うめだ本店はラグジュアリーブランドの上得意客が多く、重視している証左だと言えよう。①と②の事業戦略がつながっているわけだ。

 「例えば、エルメスさんには、本場の職人さんたちを連れてきてもらい、バッグなどがどうやって作られているのか、手仕事の技をお客さまに披露していただいたことがある。ディオールさんには、貴重なオートクチュールドレスの展示会を開いてもらった。そうしたイベントは、ほかの百貨店ではほとんど行っていないので、お客さまからもお褒めいただいている」(同)

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