82歳の新社長が“怒涛の攻め”! コモディイイダ、1000億円超めざす戦略とは

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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東京都に本拠を置き、埼玉県、千葉県、茨城県の1都3県で食品スーパー(SM)を展開するコモディイイダ。「地域密着SM」を掲げる同社は、2021年11月に新たに社長に就任した飯田武男氏のもと、価格訴求を軸に競合店に真っ向勝負を挑む“攻める商売”を推進している。直近の取り組みについて、飯田社長に聞いた。

全店舗の約3分の1が自社物件

──2021年11月に社長に就任しました。率直な感想をお聞かせください。

コモディイイダ代表取締役社長 飯田武男
飯田武男(いいだ・たけお)
●1939年10月生まれ58年3月、コモディイイダ入社。82年11月監査役、86年11月取締役、92年11月常務取締役。2016年11月、常務取締役退任後、相談役。21年11月、代表取締役社長に就任(現任)

飯田 私は創業者である飯田信助氏の孫で、営業から仕入れ、販促、店舗開発などあらゆる業務に携わりました。約34年間役員を務め、一度退職しました。その後は相談役という立ち位置でしたが、約5年ぶりに会社に戻ってきたかたちとなります。

 私が一度退職した5年前は売上高が約940億円でしたが、直近の21年8月期の売上高は約910億円です。5年間に新店が10店舗増えているにもかかわらず、売上高と来店客数が減少しているのは店舗に魅力がないからです。このような危機感を抱いていたところに社長就任の声がかかり、会社に命を捧げる覚悟で引き受けました。

──まずはどういった部分から改革していきますか。

飯田 当社は創業時から薄利多売で、良質な商品をできるだけ安く提供することで地域社会に貢献することをめざしています。しかし、ここ10~20年はどちらかというと“受け身の商売”となっており、創業時の精神から外れつつありました。当社は長年、無借金経営を継続していますが、それができるのは約100年の歴史の中で先人の努力があったから、そして地域のお客さまに支えられてきたからです。

 こうした感謝の気持ちを忘れず、今一度お客さまに利益を還元するため、すでに徹底的な価格訴求を進めています。競合店に対して“攻める商売”を実行させることで、従業員も私の“本気度”を感じたのか、モチベーションが高まり現場に活気も出ているようです。当社は無借金経営であるだけでなく、数百億円規模の

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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