無料の会員誌がフリマアプリで売れる? コロナ禍で強さを見せたコストコのブランド戦略に迫る
コストコ会員は他の会員が何を買っているかを知りたがる
コストココネクションを読むことで「よりコストコ沼にはまる」というカスタマーストーリーを描くのは、あながち過大な期待ではない。なぜなら、「コストコ会員は他の会員が何を買っているのかを知りたがる傾向がある」(担当者)からだ。コストコを訪れた人がSNSに投稿した「購入したもの」「オススメの品」を、熱心に情報収集して回るコストコファンは多く存在する。つまり、会員の多くが「まだ自分の知らない良い商品がある」「コストコにはもっと奥がある」と感じているのだ。
その“奥”を知ってもらうために、非食品を全面的に紹介する号(2017年秋号)を制作したこともある。2018年冬号では、コストコの持つさまざまな価値を切り口として商品を紹介する「コストコバリューとはなにか」という特集を組んだ。
最近では、「あなたの好きなシーフードは?」「あなたの好きなワインは?」などのアンケートに答えてもらい、翌号以降で結果を発表する「Member POLL」というコーナーを設けている。これも、コストコが顧客のし好をリサーチするというより、他の会員が何を好んでいるかを知りたい顧客の欲求にこたえるものだといえそうだ。