第8回 ショッパー、小売業、メーカー企業の「三方よし」を実現する売場づくり提案とは
小売業のバイヤー、販促担当者の役割、インサイトを理解する
ここ最近の小売業のバイヤーや販売促進の担当者の役割、彼らのインサイトはどうなっているのか。そして、そこにアプローチを仕掛けるメーカー企業の営業マンは日々、どのような活動を行っているのか。
まず、バイヤーの主な役割をあげれば、以下のようになる。
- 自店の売上状況や買い物客のニーズを把握する。
- 自店で売れそうな商品の買い付け(発掘)を行う。
- メーカー企業に対して仕入れ価格や数量の交渉を行う。
- 販売の方法やチラシへの掲載など関連部門との打ち合わせを行う。
- 社内会議用の資料やレポートを作成する。
バイヤーの目標は担当部門の売上を上げることだが、このように多岐に渡る業務を他の部門と調整をしながら進めていくのに負担を感じることも少なくない。そのため、他部門や専門外の領域への関心は高まりにくい環境がある。
したがって、バイヤーのインサイトとしては、「毎日対応する業務が多く、良い商品の発掘や商品の開発に手が回らない、他の部門との連携も大事なことと分かっているが、どうしても後回しになるし面倒だ」といったものになる。
そこで、多忙なバイヤーに向き合うメーカー企業の営業マンは、自社のブランドのポイントや取引の条件提示をできるだけ分かり易く伝えるための資料や方法を用意する必要がある。例えばお店の商圏分析をして顧客データを提供し、世の中の流行、話題の商品や生活者のニーズなどを資料にまとめ、その上で自社のブランドのセールスポイントを訴求する。
小売業の販売促進の担当者にもさまざまな役割とインサイトがある。
販売促進担当者の主な役割は、以下のようになる。
- 商品やサービスの売上を伸ばすための方法を考える。
- 自社の商品の売上状況や利用客の様子を把握する。
- 販促企画を立案して外部の代理店や印刷会社に依頼する。
- バイヤー、チラシの担当者、店長と販促企画の打ち合わせを行う。
- 販促企画の効果をまとめる。
- 社内会議用の資料やレポートを作成する。
販売促進の担当者のインサイトは、
「バイヤー同様に複数の部門や外部との打ち合わせや調整がある。また、自社の取り扱う商品やサービスなどに広く目を配り、売上や集客につながる施策の企画や実行が求められる。バイヤーとの違いは、責任部門の捉え方(バイヤーは自分の部門、販売促進は全体)と、お客への直接的な購買の動機付けを考え実行する点にあるまた、バイヤーをはじめ他の部門から協力を得て進める作業に困難を感じることがある」というようにまとめることができる。
こうした状況にあるため、メーカー企業の営業マンは、バイヤーの理解を得た後、販売促進の担当者を交えての商談を高い「壁」と感じることがある。
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