神戸物産21年10月期大幅増益!来期、原料高騰でも増収増益するための戦略とは
原料高騰「今まで経験したことがないレベル」
業務スーパーは増収・増益ではあったが、サプライチェーンの分断、天候不順などによる原材料価格の高騰には悩まされた。沼田社長は「20年10月期に引き続き、21年10月期も(原材料価格の高騰が)仕入れ価格の押し上げ要因になった。第3、4四半期で思ったように利益を上げられなかったのも事実。正直、我々も経験したことのないレベルで価格が上がっていて、中には上昇が止まらない商品もある。商品の値上げは適宜実行せざるを得ない」と話した。
特に値上がりが目立つのが油や牛肉、コーヒー豆だとし、仕入れ先の変更も選択肢の一つだと話した。
その上で進めるのが、物流にかかるコスト削減だ。これまでは、西日本にある店舗への商品の配送は、神戸にある物流センターが担っていたが、21年10月期中に神戸と大阪に新設した。さらに、九州エリアにおいても、博多に物流センターを構え、物流費にかかる年間コストを削減する。
また、商品供給能力を増強し、チャンスロスを減らしていくことにも言及した。具体的には「自社の工場の生産能力の増強を上げるための増産投資を行っている最中だ」(同)とした。現在は、売れ筋商品に製造を絞ることで商品を供給している工場もあり、増産投資を行うことで、過去に売っていた商品も製造できるようになる構えだ。
期中に宮城県、岡山県で自社の食品製造工場を稼働させ、グループの工場数は25工場になった。21年10月期の売上に占めるPB(プライベートブランド)比率は33.12%(対前期比1.46%増)であり、戦略的にPBを増やす取り組みを進める。