第1回 マーケティングデータを使う目的、わかりますか?

桂 幸一郎(エイトハンドレッド)
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マーケティングのイメージ
マーケティングデータは何も難しいものではなく、正しい読み方と使い方さえマスターすれば、誰でもビジネスで使いこなすことができるのです。 i-stock/Erikona

 「マーケティングデータ」と聞くと大仰に聞こえるかもしれません。でも、安心してください。マーケティングデータは何も難しいものではなく、正しい読み方と使い方さえマスターすれば、誰でもビジネスで使いこなすことができるのです。

 ではマーケティングデータとは何でしょう? これは、「ビジネスをする際に市場や消費者のことを把握することができるデータ全般」だととらえてください。本連載では、初心者だけでなく、これまでなんとなくデータを使ってきた、という人向けに、毎回解説していきます。

 筆者は長年にわたってマーケティングや営業企画に従事してきましたが、今回この連載を企画したのには理由があります。筆者は現在、データ分析を生業とする会社に勤めており、顧客から「データはたくさんあるが活用しきれない」「マーケティング部門や広告代理店がいろいろな数字を言ってくるが毎回違う種類の数字をだしてきてよくわからない」という声を聞く機会が増えているからです。

 こうした悩みを持つ人は少なくないのでは? そう考えヒアリングしてみると、若手社員や営業担当のみならず、マーケティング部の人、そして経営者クラスまで幅広い人がデータの読み方、使い方に悩みを持っていることがわかりました。

 そこで本連載では、データに振り回されずに、マーケティングデータに親しんでいただき、ひいてはマーケティングを特別ではない考え方として日ごろのビジネスに取り入れていただくことをねらいとして、毎回具体的な用語を挙げてを解説していきます。

 ただはじめに言っておきたいことは「市場と消費者のすべてがわかるデータなど存在しない」こと。さまざまなデータを組み合わせてパズルのように「わかる部分」を増やしていき、わからないことは「仮説」や「想像」でカバーするものだと理解してください。

 データでわかる部分が増えていくと、仮説や想像がよりシャープになります。「データがあると創造性がそがれる」という人も見かけますが、それはまったくの間違いで、「本を読まないほうが見識が広がっていい」といっているのと同じことです。

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