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今やリユース市場のトップ企業・ゲオホールディングスが証明するリアル店舗の存在意義と成長戦略

ゲオホールディングス(以下、ゲオHD、愛知県/遠藤結蔵社長)はさきごろ、2022年3月期第2四半期決算を発表した。売上高は1519億4800万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は14億8200万円(同59.1%減)、経常利益は19億9300万円(同48.8%減)、当期純利益は7億2500万円(同41%減)だった。巣ごもり特需の恩恵を受けたが前年同期に対し、その反動で営業利益が減少した形だ。

コロナ禍でも際立つリユース部門の好調ぶり

 「ゲオといえばレンタルビデオ」は今や昔。現在は中古・新品のゲーム関連機器やAV家電を取り扱う「GEO」のほか、アパレルを中心に総合リユースショップである「2nd STREET」などを傘下におさめ、リユース市場でトップシェアを誇る循環型企業へ変化している。
 22年3月期上期の数字でも、同社の業態が着実に変化していることが鮮明に表れている。売上高を商材別でみるとリユース系と呼ばれるカテゴリーの好調ぶりが際立つ。前年同期比で140.7%となっており、全体の売上が足踏みする中で高い伸びを示した。

リサイクル市場は数少ない有望市場

 「リユース系」はアパレルから雑貨、家電まで家庭の不用品を買取から販売まで行う循環型流通業態の王道だ。リユースへの本格転換は、2011年に就任した遠藤社長の決断でかじを切った。リサイクル市場は、先行き不透明な小売市場の中でも数少ない有望市場といわれ、新規参入も増加傾向にある。そうしたなかで同社は、買収も行いながら着々と店舗網を広げノウハウを蓄積。一気にこの分野のトップシェアに上り詰め、もう10年以上その座をキープしている。

 一方、オンラインのリユース市場には、CtoC(個人間取引)の覇者であるフリーマーケットアプリ「メルカリ」が君臨している。どんなものでも手軽に売買できる素地を築いたリユース市場拡大の最大の功労企業ともいえるが、ゲオHDはそうした風潮を追い風にし、リユースゆえのリアル店舗の強みを最大限に活かし市場をけん引している。

 ネットによる個人間売買は、手軽な一方で商品の損耗度合等の確認がネックになる。最終的に商品を手にするまで現物を確認することはできない点に不安を感じ、二の足を踏む利用者も一定数存在する。そうした不安を完全払しょくすることに活路を見出し、同社はユーザーの信頼を獲得している。

 店頭での現物確認では、ノウハウを蓄積したスタッフが厳正にチェックしている。さらに取り扱う中古品には半年間の返金保証までつく。購入や買取のため、利用者が店舗に出向く手間を補って余りあるフォローによって、ネット個人間売買のマイナス面を払拭することで、同社はその存在感を高めている。

 さらにネットで気に入った商品を取り寄せ、試着することも可能。商品が中古品という以外は、新品とそん色ない手厚いサービスで対応するのが、同社の最大の強みといえるだろう。買取価格もこれまでの売買データの蓄積によって明確に算出される。基本的に基準並みかそれ以上という査定の仕方で、買取を依頼するユーザーの満足度も高い。

2023年3月期末までにリユースの拠点を800店舗体制へ

 新品・中古のゲーム販売および買取、中古モバイルなど「メディア系」事業の拠点となる「GEO」は現在1138店舗。今後は「リユース系」の「2nd STREET」を2023年3月期末までに800店まで拡大する方向だ。生命線となる仕入れ強化を視野に、リユース企業としての基盤を盤石にする。社会全体が倹約傾向にシフトし流通が循環型へと移行する中で、リユース市場は22年には3兆円を超えるという試算もある。トップシェア企業としてそこをさらに深耕すべく同社が注力するのが、高級腕時計やブランドバックなどのブランド品のリユース市場だ。

 19年に買収した、ラグジュアリーブランドのリユース商品を取り扱う「OKURA TOKYO」を起点とし、仕入れ体制をさらに強化。「2nd STREET」が弱い高級ブランドの仕入れ部分を補完することで同部門のトップシェアを奪取し、リユース市場全体でのトップカンパニーを目指す。

 祖業であるレンタルビデオ事業は、同社がビデオを貸し、見終わったら返却してもらうシステムで利用者に割安で映画を見る楽しみを提供した。そしていま、新しいものを買いたいけどまだ使えるという消費者の悩ましさを、換金して購入資金に充てるという新たな消費スタイルの提案によって解消している。

 常に社会動向の半歩先を行き、財布にやさしいサービスを提供することで支持を集めてきたゲオHD。先行きが不透明な時代で消費は縮小気味だが、同社にとっては、こんな時こそその真骨頂を発揮する絶好の商機と映っているのかもしれない。