今やリユース市場のトップ企業・ゲオホールディングスが証明するリアル店舗の存在意義と成長戦略

油浅 健一
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2023年3月期末までにリユースの拠点を800店舗体制へ

 新品・中古のゲーム販売および買取、中古モバイルなど「メディア系」事業の拠点となる「GEO」は現在1138店舗。今後は「リユース系」の「2nd STREET」を2023年3月期末までに800店まで拡大する方向だ。生命線となる仕入れ強化を視野に、リユース企業としての基盤を盤石にする。社会全体が倹約傾向にシフトし流通が循環型へと移行する中で、リユース市場は22年には3兆円を超えるという試算もある。トップシェア企業としてそこをさらに深耕すべく同社が注力するのが、高級腕時計やブランドバックなどのブランド品のリユース市場だ。

 19年に買収した、ラグジュアリーブランドのリユース商品を取り扱う「OKURA TOKYO」を起点とし、仕入れ体制をさらに強化。「2nd STREET」が弱い高級ブランドの仕入れ部分を補完することで同部門のトップシェアを奪取し、リユース市場全体でのトップカンパニーを目指す。

 祖業であるレンタルビデオ事業は、同社がビデオを貸し、見終わったら返却してもらうシステムで利用者に割安で映画を見る楽しみを提供した。そしていま、新しいものを買いたいけどまだ使えるという消費者の悩ましさを、換金して購入資金に充てるという新たな消費スタイルの提案によって解消している。

 常に社会動向の半歩先を行き、財布にやさしいサービスを提供することで支持を集めてきたゲオHD。先行きが不透明な時代で消費は縮小気味だが、同社にとっては、こんな時こそその真骨頂を発揮する絶好の商機と映っているのかもしれない。

 

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