[特別企画]ホームセンターバイヤーが選ぶ「年間ヒット商品2019」 新規機能性、ブランド力、価格が3大要因
作業用品:資材(作業衣料)部門
街中で履いていても違和感なし、スタイリッシュかつ作業性が人気
GLADIATOR®(グラディエーター)
G-CARGO(G-カーゴ)シリーズ/コーコス信岡
★★★ 選評
カジュアル志向の需要に応える
作業衣料部門からは、コーコス信岡のワークパンツ「Gーカーゴ」シリーズが受賞した。
同社からはカーゴパンツの「Gーカーゴ」が2018年に受賞したが、昨年はさらに進化させた「Gーカーゴ2」というコンセプトで新商品を多数投入したことから、2年連続での受賞となった。
ワーク市場においてカジュアル志向がますます浸透している。ホームセンター(HC)で販売される作業衣料は、どちらかというと軽作業衣料が中心で、やぼったい印象があった。しかし最近では、機能性、デザイン性でこだわりを持ちブランド力も前面に打ち出した商品を、積極的に提案するようになっている。
コーコス信岡では、「グラディエーター」ブランドのもとで、カーゴパンツの「Gーカーゴ」のほかにトップスの「Gースポルト」も発売している。コーコス信岡の「グラディエーター」は、HCにおいてワーク市場の需要に応えた商品として、市場関係者から高い評価を得ている。
新シリーズでも、着用シーンや好みに合わせて選べる「スタイリッシュ」「ミリタリー」「クロスオーバー」「ワイルド」の4タイプを新たに揃えたほか、よりオールラウンドの「Gーボトム」も発売。いずれも、ウエスト部分にナチュラルストレッチを組み込むことで、履き心地を進化させるなど機能面にもこだわった商品だ。
また、コーコス信岡のカーゴパンツは街中のカジュアルウエアとして履いても違和感のないフィット感を持っていることが若いユーザーから支持された。それによって、HCの作業衣料売場の需要を広げることができたこともヒットの大きなポイントである。
★★★ アンケート結果
おしゃれな売場も高評価
作業衣料部門でも、メーカーが積極的にブランド力を前面に打ち出すようになっている。コーコス信岡のカーゴパンツは「Gーカーゴ」と、そのトップブランドである「グラディエーター」とともに評価ポイントで最高評価の「5」となっている。
同様に最高評価が「5」だったのは、「新規機能性」「斬新さ(デザインなど)」と「売場提案力(販促)」である。
「新規機能性」と「斬新さ(デザイン)」ともに、街中で履いても違和感のないデザインや、履き心地のよさ、動きやすい機能などが評価されている。今後、機能面とデザイン面は作業用衣料が求められる要素だ。
同時に売り方も、マネキンを活用したり、写真を使ったPOPや床面のサインなどのコーコス信岡の提案力が評価された。今後HCの作業衣料売場も、衣料専門店のデニムパンツ売場と同じようなおしゃれ感が求められていくと思われる。
マーケット&プロダクト
見た目はおしゃれ・カジュアルでも過酷な現場に耐えるワークパンツ
「剣闘士」を意味する「グラディエーター」は、コーコス信岡が展開する作業用衣料の人気ブランドだ。日々、現場で汗を流し活躍するワーカーを剣闘士の姿に重ね、「戦う男の鎧」を提供したいというコーコス信岡の思いが込められている。
そのグラディエーターから2016年秋、ワークパンツの新しいシリーズとして登場したのが「Gーカーゴ」である。
コンセプトは「強さと心地よさの融合“極み”カーゴパンツ」。一見、カジュアルでおしゃれなスタイルだが、過酷な作業現場での使用にも十二分に耐えられる、充実した機能、品質を備えているのが大きな特徴となっている。
腰の部分は体にフィットする「ビンテージタイプ」。股の部分にはマチを設け、裂けにくく、動きやすい仕様を工夫している。ファスナーには「YKK製3YG」を採用、頑丈でズリ落ちにくくするなど、「5つのこだわり」を掲げている。ストレッチ素材を使うことで、作業シーンを想定した動きやすさを実現した。
ラインアップに目を向けると、「スタイリッシュ」「ミリタリー」「クロスオーバー」「ワイルド」の4種類のスタイルを揃える。好みやコーディネートに応じ、選択できる品揃えの幅も大きな魅力となっている。
サイズ展開についても、Sから6Lまでと幅広く取り揃えているのも同社製品の特徴で、より多くのニーズに応えられるシリーズとして着実に新たなファンを獲得している。大ヒットした「1stモデル」に続き、18年9月にはテイストやカラーの幅を広げた「2ndモデル」を投入しており、徐々にシリーズの拡充を図っている。
メーカー(担当者)のコメント
「着てわかるよさ」を実感できる製品を追求したい
かつてワークウエアといえば、画一的な見た目で、カラーバリエーションも限られているやぼったいイメージでした。しかし近年、カジュアル化が進み、ワークの現場にもおしゃれでスマートなスタイルが浸透しつつあるのが現状です。
こういったトレンドのもと、ワーカーの間では自分好みのニット製上着を選び、それに合うパンツを履きたいとのニーズが拡大してきました。そんなニーズにうまくマッチしたのが、ワークパンツ「Gーカーゴ」だったのではないかと自己分析しています。
常々、コーコス信岡ではお客さまのニーズの変化を反映した製品開発を意識しています。最近は、とくにカジュアルなスタイルへの要望が強く、製品にも積極的に取り入れています。とはいえワークウエアの専門メーカーとして、決して譲れない部分があります。それは作業しやすい「機能性」、厳しい現場にも耐えられる「耐久性」です。
「Gーカーゴ」も同様であり、そこがお客さまの強い支持を獲得できた理由だと自負しています。事実、おかげさまで発売後は飛ぶように売れ、販売数は計画の5倍以上となる空前の大ヒット商品となりました。
今後もブランド「グラディエーター」のもと、まじめなモノづくりに取り組み「着てわかるよさ」を実感できる製品を追求していきます。(生産企画本部企画部 次長 林威喜氏)