GMS(総合スーパー)考
GMS(総合スーパー)が青息吐息だ。2014年度のイオンリテール(千葉県/岡崎双一社長)のGMSの既存店舗売上高は対前期比2.8%減、イトーヨーカ堂(東京都/戸井和久社長)は同4.5%減、ユニー(愛知県/佐古紀男社長)は同2.9%減と全く振るわない。では、長く続く不振打開の自助努力を怠っていたかと言えば決してそうではない。各社各様、衣料、住居、食品の売場・商品の創造や改善に膨大な時間と労力を注入し、GMSは日夜凄まじいまでの革新が図られている。
日本リテイリングセンターが発刊する『チェーンストアのための必須単語1001』によれば、日本型スーパーストア(=GMS)は、「ペガサスクラブ主宰者渥美俊一と会員の中内功(ダイエー)、岡田卓也(イオン)の3人が一挙にビッグ・ストアづくりをするために独自に考案した過渡期的フォーマット。第1号は1963年ダイエー三宮改造店」とある。「(中略)1990年代から低迷中。今後価格帯がポピュラープライスへ戻らないと近く消滅するはずのフォーマット」と続く。
好調なGMS企業もあるので断言は避けたい。しかし、こうした状況を見る限り、GMSはエリアによっては役割を終えているような気がする。百貨店同様、売上利益を上げられる店舗に集中的に投資しながら、不採算店舗は「衣食住のワンストップショッピング」にこだわることなく、売るモノを根底から変えていく必要があるかもしれない。
『ダイヤモンド・チェーンストア』誌2015年6月1日号
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