「悪意のない」ミス防御
総菜などを中心にSPA(製造小売)化が進む日本の食品スーパーにあって、安全・安心の担保は、何よりも優先させなければいけない最重要テーマだ。
一度、農薬混入のような事件が起こってしまえば、信頼は地に落ち、消費者は遠のき、その企業は、倒産の危機にさらされることもあるからだ。
だから、アクリフーズのような「悪意のある」混入に対しては、企業を挙げて防御システムを構築しなければいけない。
だが、品質不良や異物混入が起こるのは、必ずしも事件性に満ちた「悪意のある」ものばかりではなく、教育不足や勘違い、うっかりなどの「悪意のない」ミスの方が圧倒的に多い。悪意がない分、こちらのたちも悪い。
原因は、①用紙による作業指示記録の限界、②作業者の負担増、③作業者と管理者のコミュニケーション不足によるところが大きい。
昨日、「THE GRAND HALL 品川」(東京都)で開かれた「FOOD SAFETY DAY JAPAN 2014」の中で講演した日立造船(大阪府/谷所敬社長)の中村豪志氏は、解決策として、「製造現場の見える化」を挙げている。
「カメラを設置するだけでは、見える化とは言えません。データ、画像、映像を含め記録して、時間の整合性をしっかりさせること。システムで一括管理することが大事です」。
すべての総菜売場のバックヤードに、これだけのシステムを導入するには高額の投資となることに違いない。しかし、一旦、事が起こった場合に被る打撃を考えれば、導入は大きな選択肢の一つと言っていい。
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