再び試練の百貨店
日本百貨店協会(東京都/茶村俊一会長)は、2013年度の百貨店業界の売上高を6兆2171億円(対前年度比1.2%増)と発表。実に16年ぶりに前年実績を上回った。“アベノミクス”効果の円安株高による景気回復への期待感や消費マインドの高揚をベースに高額商材が大きな伸びを示した結果だ。
百貨店市場は、バブルの絶頂期、1991年度の9兆7000億円をピークに漸減。消費不況に加え、ファストファッション企業やアウトレットモールの台頭に抗しきれず、ピーク時と比較すると約3兆5000億円、ホームセンター業界の市場規模に匹敵する売上が消えた。某有力企業トップが「2016年度には5兆円規模になる」と厳しく予測するように将来的にも明るい材料を見つけることは容易ではない。
ただし、阪急うめだ本店、伊勢丹新宿本店、あべのハルカス…など大手企業は、大都市の旗艦店を改装して競争力に磨きをかけることに余念がない。1997年度以来の増加はそうした企業努力の賜物と言っていいだろう。ところが、せっかくの好転も束の間、この4月には消費税増税が実施される。駆け込み需要は期待できるにせよ、百貨店企業は、再び試練の1年を迎えることになる。
『チェーンストアエイジ』誌2014年2月1日号
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