「世界の10大リスク2014」発表!
1月6日。世界最大のリスクコンサルタント企業であるユーラシアグループ(ニューヨーク/イアン・ブレマー社長)は、毎年恒例の「世界の10大リスク2014」を発表した。
http://eurasiagroup.net/media-center/view-press-release/Top+Risks+2014
第1位は、アメリカ同盟国の離反危機である。最も近い同盟国であるイスラエル、イギリス、日本に対して、また、ドイツ、フランス、トルコ、サウジアラビア、ブラジルに対して、アメリカは防衛上のオプションをほとんど持っておらず、“同盟”のメリットは小さくなっている。こうした国々は徐々にアメリカと一定の距離を置くようになり、企業や投資家もこの動きに追従する。
第2位は、2014年にブラジル、コロンビア、インド、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコの新興6カ国で実施される総選挙の行方である。経済成長鈍化、新興中産階級からの突き上げは、政情を不安定にし、民衆によるデモを多発させる。
第3位は、新しい中国。中国の指導者は、過去20年にわたって広範囲に及ぶ改革を実施した。一方では、インターネットの普及にともなって情報コントロールをできない事態に陥っている。また、先富主義よって生まれた貧困層からの反発にも直面している。ここでの失政は、過去の改革を失敗に終わらせるだけでなく、共産党支配も終わらせる可能性がある。
第4位はイラン問題だ。2013年6月の大統領選挙に勝利したハッサン・ロウハーニー大統領は西側諸国と核開発や経済制裁などの問題を包括的和解交渉によって解決する可能性が大きくなってきた。しかしながら、その過程ではリスクはある。交渉が決裂した場合は、軍事行動に発展する可能性もあるからだ。
第5位は石油立国だ。シェールガスなどのエネルギー革命は、地政学上、重要な意味合いを持ち始めた。2014年は、備蓄増大、値下げ圧力、生産者間の競争激化をもたらすものと予想できる。
以下、第6位「戦略的データ」、第7位は「アルカイダ 2.0」、第8位「中東の不安拡大」、第9位「ロシアのプーチン大統領」、第10位は「トルコ問題」と続いている。
2014年の注目は、昨年トップ10内で2回、言及されていた日本がほとんど登場しないことだ。日本の2014年は、危機的状況のような気もするのだが、アメリカの同盟国として取り上げられているに過ぎないあたりに、国際的には“斜陽国”と位置づけられている悲哀を感じざるをえない。
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