フランチャイズビジネスは難しい
フランチャイズビジネスは本当に難しいものだと思う。
先日、あるフランチャイジー(加盟店)の店舗に立ち寄り、さらにその思いを強くした。
その店とフランチャイザー(加盟本部)が直営する店舗(=モデル店舗)とは、置いてある商品も什器も照明も従業員の立ち居振る舞いにも大差があるようには見えなかった。
けれども全体としては何かが違う。それが何であるかを即座にはつかみかねたが、どこかが違っており、その結果、売場に活気がないのだ。
この店舗に限って言えば、フランチャイザーとフランチャイジーが一心同体にはほど遠く、商売の姿勢に大きな温度差があり、その結果、店舗の魅力を著しく減退させているように思えた。
もちろん、通常は、こうした事態に備えて、フランチャイザーは、いくつもの防止弁を設けている。
セブン-イレブン・ジャパン(東京都/井阪隆一社長)ならば、スーパーバイザー役であるオペレーション・フィールド・カウンセラー(OFC)が週に2回ほど店舗を訪問し、2~3時間は滞在して、販売戦略立案、販促方法、運営指導など、店づくりの相談に乗り、事細かにアドバイスを行っている。
しかし、それだけケアをしてもフランチャイザーとフランチャイジーの間に軋轢が起こることは少なくなく、時に訴訟問題に発展することもある。
だが、その時に忘れ去られているのは、店舗を利用している顧客のことである。
店舗がベストの状態にはないことを知ることもなく、健気に何度も通ってくれる顧客は必ず存在する。
フランチャイザーにもフランチャイジーにもそれぞれに立場や言い分があるかもしれないが、両者に必要なのは、顧客に不利益を与えてしまうような、いがみ合いではないはずだ。
店舗が顧客にとってちゃんとベストの状態にあるのかどうかを、お互いの立場ではなく、顧客の立場でいまいちどチェックしてみたい。
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