「世界10大リスク2013」発表!
世界最大の政治リスクコンサルタント企業のユーラシアグループ(ニューヨーク/イアン・ブレマー社長)は、2013年1月7日、恒例の「世界10大リスク2013」 を発表した。
世界10大リスクは、毎年1月に発表されるランキングで、2010年に発足したばかりの民主党、鳩山由紀夫政権の年内交代を的中させてから俄然、脚光を浴びるようになっている。
http://eurasiagroup.net/media-center/view-press-release/Eurasia+Group+publishes+Top+Risks+for+2013
さて、第1位は、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)などの「新興国の急成長は終焉」を迎えるというものだ。代わって、欧米諸国が緩やかながらも、回復に向かうだろうとしている。
第2位は、「中国国家VS.情報」だ。このリスク予想は見事に的中し、今年に入ってすぐ、中国で最もリベラルな新聞の1つ『南方週末』の紙面が中国当局の介入で差し替えられた問題をめぐり、同紙を支持する人々が検閲に抗議するデモを繰り広げた。中国の言論統制や事実隠蔽体質がインターネット時代にどこまで抗うことができるのかが注目される。
第3位は、「アラブの夏」だ。ジャスミン革命に代表される「アラブの春」は瞬時に終わり何ももたらすことなく、アラブ諸国はそのリバウンドとしての「アラブの冬」ともいうべき泥沼状態に陥った。これがさらに暑く長い「アラブの夏」となるだろう、というものだ。
以下、第4位「アメリカ合衆国の政治・財政」、第5位「アメリカ同盟国の構造的負け組JIB(日本、イスラエル、イギリス)」、第6位「ヨーロッパ危機」、第7位「アジアの地政学」、第8位「イラン問題」、第9位「インド問題」、第10位「南アフリカ問題」となっている。
注目すべき点は、日本が第5位と第7位に2度も登場することである。「リーダー不在で《Gゼロ》(どの大国も世界のリーダーにはなろうとしない)時代の諸問題に対応できておらず、ナショナリズムが高まる中で中国との軋轢も増しつつある」と見られている。
かつて隆盛を誇った日本の面影はなく、グローバル目線での評価は、我々が考えているよりも遥かに低いことがわかる。
関連BLOG:http://diamond-rm.net/articles/-/4756
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