消費者視点に立った寡占化
米国では、小売業界の寡占化が進んでいる。
ドラッグストアは3社(ウォルグリーン、CVSケアマーク、ライトエイド)、ホームセンターは2社(ホームデポ、ロウズ)、ディスカウントストアは3社(ウォルマート、ターゲット、Kマート)、ホールセールクラブは2社(コストコ、サムズ)といった具合だ。
欧州しかり。日本もまたしかりである。
母国での厳しい競争を勝ち抜いた小売企業は、今度は“グローバルリテーラー”と化して世界市場を目指す――。
それは、拡大抜きには成長できないチェーンストアにとっての宿命と言っていいかもしれない。
今号の特集にあるように、日本の小売業界もM&A(合併・買収)、合従連衡と規模拡大、寡占化の動きが俄然、活発化してきた。ただ、あくまでも見誤りたくないのは、そのことは消費者にとって何の関係もないということだ。
消費者にとって、寡占化は、選択の幅が狭まるという意味においては、むしろマイナスだ。また、英国のように物価を高止まりさせる要因にもなりかねない。
消費者視点に立った規模拡大や寡占化とは何であるか、を企業経営者は今一度自問してみたい。
(『チェーンストアエイジ』誌2012年5月1日号)
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