男らしく、女らしく
私のような1960年代前半生まれは、子供のころに「男は男らしく、女は女らしく」と教えられてきた。
男なら、質実剛健を良しとし、簡単に泣くな、ペラペラしゃべるな、弱い者を助けよ…。
女なら、清く、やさしく、美しく、おしとやかに…。
それがいつの間にか男女の差異はなくなり、男も女も1人の子供として育てられるようになった。
1970年代前半にアメリカから上陸した女性解放運動のウーマンリブ(Women’s Liberation)を端緒に1985年に男女雇用機会均等法が施行された頃が境目だったような気がする。
私が学生の頃は、デートをしても勘定を持つのは男性の矜持。財布が素っカンピンの時に女性に払ってもらう時には忸怩たるものを感じた。
ところがいまや飲食の支払いは、割り勘が当たり前。バレンタインデーには女性から男性のみならず、男性から男性、女性から女性に「友チョコ」を送る。かわいらしい顔立ちの女の子が「行こうぜ」「うめえ」などと、ちょっと乱暴かなと思われる言葉を普通に発する。
草食系男子や肉食系女子の登場は、男女の相互関係のバランスが崩れていることの証しなのかな。
世の中は変わるものだ。
男女の新しいポジション取りには、良い側面と悪い側面があるので一概に評価を下すことはできない。
近年の(やまと)なでしこ選手の世界的な活躍は、きっとここに一因があるように思う。
一方、国力低下と同義語である晩婚化や少子化は、男が男らしく、女が女らしくと教育されなくなったことが主因のひとつである感じがする。
でも、そんなことを声高に主張したら、いろいろなところから、怒られるんだろうな。
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