編集者が一番優秀なわけではない
昨日の続きである。
経営者がその企業で一番優秀なわけではない、と書いた。
これを私たちの業界(=出版業)にあてはめた場合はどうだろうか?
編集者の仕事は、名文を書くことでもなければ、誰よりも専門家であることでもない。
もちろん、書けるにこしたことはないし、さまざまな分野に詳しくあるべきだとは思う。
しかし、私の持論は、これらのスキルについては、一番である必要はないということだ。
では、編集者の最大の仕事とは何か?
それは、自分よりも優秀な逸材を知っていることだ。
その逸材を発掘して、懇意にして、常に原稿を頼める状態にしておければなおいい。
あの分野ではAさん、この分野ではBさんという具合に自分の実力を遙かに凌駕する優秀な人材を探し出し、雑誌の方針の中で登場してもらう。
編集者は自らの限界を知り、自分をカバーしてくれる人材をスカウトまたは育成し、協働するのが得策だ。
もし自分が周囲の誰よりも優秀だと考えるなら、出版社などに所属せず、独立すればいいだけだからだ。
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