平和堂、“生涯ファン化”を着実に

2011/12/23 00:00
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 平和堂(滋賀県/夏原平和社長)が買物代行サービスなどを提供する地域貢献事業の「平和堂ホーム・サポートサービス」をスタートさせたことは、以前BLOGで書いた。
http://diamond-rm.net/articles/-/3530

 買い物に来店できないお客、来店できても持ち帰りできないお客、小さな子供のいるお客などを対象にしたサービスで、電話やファックスで発注してもらい、自宅まで商品を届けるというものだ。

 年会費は1000円、買い物金額に関係なく1回の利用ごとに105円を徴収している。

 2010年9月1日に彦根銀座店(滋賀県彦根市)で実施したのを皮切りに、2011年2月23日にはアル・プラザ近江八幡店(同近江八幡店)で2号店めをスタート、利用客から好評を博している。

 さらに今年9月15日からは、アル・プラザ長浜店(同長浜市)でもサービスを開始。「自分が住む町でも始めてほしい」というリクエストが平和堂本部には絶えない。

 最新店舗アル・プラザ長浜店のホーム・サポートサービス概要を簡単に記すと――。

 対象地域は、アル・プラザ長浜店から半径2.5㎞49町の1万7735世帯。営業日は月曜日から土曜日(祝日営業)。電話とファックスによる注文時間は9時から10時30分まで。13時から冷凍冷蔵軽トラックにてアル・プラザ長浜店で取り扱う全商品(一部除く)をお客の自宅玄関まで配達する。決済は、商品配達時に現金か平和堂商品券で支払うというものだ。

 配達要員は、時給ベースで契約する同社のOB社員。安価な労働力を投入しているけれども、まだまだ、利益を計上する段階には至っていない。

 とはいうものの現在、「平和堂ホーム・サポートサービス」は新しい展開を見せている。

 たとえば、彦根銀座店では、コミュニティづくりに力を注ぎ始めた。サービス利用客を一堂に集めて、「クリスマス会」や「バスツアー」を企画・実施するなど、お客の“生涯ファン化”を着実に進めているのだ。

 企業リタイア後の男性は、地域にも家庭にも居場所がなく、自分が所属できるコミュニティを求めている。「平和堂ホーム・サポートサービス」は、そんな人たちへの“助け船”にもなりそうであり、事業の潜在性には計り知れないものを感じる。

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