学生たちがGMS(総合スーパー)企業を志望する動機は何か?
私「今春入社した新入社員が配属を希望する人気の部署はどこですか?」
GMS(総合スーパー)人事部「うーん。何とも言えません。以前と比べるとずいぶんバラけてきた印象があります。しばらく前までは、当社の出身業種であった衣料品のバイヤーが大人気でしたけれども、いまは、衣食住の希望者は均等な感じがします」
私「そうなんですか。それは、どうしてですか?」
GMS人事部「衣料品が以前ほど売れなくなり、利益部門じゃなくなっているのが原因ですね。今回の東日本大震災以降は、対前年度の5掛けの売上高などは当たり前のような状態です。また住居関連品や食品も伸び、構成率も高まっていますので、その希望者が増えているというのもありますね」
私「でも、食品の仕事をしたいなら食品スーパー、衣料品や住居関連に配属されたいなら、専門店やホームセンター、ドラッグストアに就職すればいいという考え方もあります」
GMS人事部「そうなんですよ。だから、当社への応募者数は年々減っています。専門性の高い分野に就職したい学生は、専門性の高い業態の企業に応募しているようです。当社は、“総合”ですからある意味では、魅力がないのかもしれません」
私「じゃあ、御社を受ける学生の主要な志望動機は何ですか?」
GMS人事部「本人たちは大っぴらには言いませんが、大手企業であるということが大きいと考えています。残念ながら、GMSという業態に希望を持ち、応募するということは、以前ほどはないような気がします。だから入社して『環境部門に配属されたい』なんて言い出す社員がいるほどです」
私「人気のない部署はありますか?」
GMS人事部「一番人気のないのは鮮魚部門です。技術習得は難しいし、水仕事だし、冬は寒いし、本当に大変な職場です」
私「だからこそ大事ですし、やりがいがある。大体、鮮魚なしでは日本の食卓は成り立ちません。」
GMS人事部「その通りなんですけど、仕事の醍醐味を理解する前にやめてしまうんですよね。まあ、“大手”であるということが当社への入社動機だとするならば、仕方ないのかもしれません」
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