思わず嫉妬したくなるほど巧みなオリックスのマーケティング戦略
お隣の韓国で日本のプロ野球球団オリックス・バファローズが注目と人気を集めている。
今シーズンから、韓国球界史上最高の打者と投手、李承燁(イ・スンヨプ)選手と朴賛浩(パク・チャンホ)が在籍しているためだ。
李承燁選手は、王貞治さんの1シーズン本塁打記録55本を抜き去り、56本のアジア記録を打ち立てた「アジアの大砲」。三星ライオンズを経て、日本球界入り。千葉ロッテマリーンズ、東京読売ジャイアンツでプレー後、今シーズンからオリックス・バファローズに入団した。千葉ロッテマリーンズ時代は、日本一奪取にも貢献している。
朴賛浩選手は、漢陽大學校の2年時の1994年にロサンゼルス・ドジャースと契約、大学を中退して渡米。以後、メジャーリーグ7球団を渡り歩き、通算124勝を挙げている。
この5月22日には、ジャイアンツ戦に登板。4回にはラミレス選手と本塁で交錯してスパイクされるも、根性で6回を投げ切り、無失点――。戦いぶりをちょっと目にしただけで、たちまち虜にされてしまう魅力がある。
韓国の2大イケメン・スーパースターをオリックス・バファローズが獲得したのは決して偶然ではない。
親会社のオリックス(東京都/井上亮社長)が韓国の「PUREUN2 相互貯蓄銀行」を買収するからだ。
オリックスは、1975 年以来、韓国でリース事業、測定機器・情報機器のレンタル事業などの金融サービスを提供してきた。また、韓国大手の大韓生命保険や鉄鋼メーカー、エンジンメーカーへの出資など投資事業も展開している。
これに「PUREUN2 相互貯蓄銀行」の顧客基盤を融合させ、さらなる顧客開拓を図り、営業基盤を構築させたいという思惑がある。
今後、オリックスは韓国当局からの買収承認を得た後、株式の約85%を取得したうえで、頭取(CEO)を含む幹部数人を派遣し、今秋には本格経営に乗り出すという。
そして、2大スーパースターの入団は、“オリックス”ブランドを韓国市場に浸透させるマーケティング戦略の一環とみられる。
ただ、あまりお金はかかっていない模様で、2人の推定年俸合計約3億円はオリックス・バファローズの韓国におけるTV放映権だけで元が取れると言われている。
また、ソウルからは約2時間で大阪国際空港に渡航できるから、観客動員数増加も見込めるだろう。
思わず、「その手があったか」と嫉妬したくなるほどのオリックスの巧みなマーケティング戦略を新興国進出のお手本にしたい。
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