東日本大震災後をどう読むか? オークワ福西拓也社長
オークワ(和歌山県)の福西拓也社長の記者会見から(3月24日@オークワスーパーセンターみえ朝日インター店〈三重県〉/文責:千田直哉)。
3月11日に発生した東日本大震災の被災者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。
1日も早い復興を願っています。
さて、東日本大震災後の日本経済や消費は、なかなか先行きが読めません。
GDP(国内総生産)は、4月-6月でマイナス成長が確定的。2011年度は通年でもマイナスになる可能性があります。証券アナリストの予想には諸説があるので何とも言えませんが…。
だから、当社としても2012年2月期の予算を再度見直しました。
福島原子力発電所や計画停電の動向いかんで、景気はずいぶん変わってくるものと思われます。
とくに原子力発電所の問題については、日本全体が過敏になっている大関心事です。
たとえば、3月23日に「東京都葛飾区の金町浄水所で国の基準を超える放射性ヨウ素が検出された」と報道されたことで、近畿・中京圏が地盤の当社でもミネラルウォーターが急激に売れ、在庫切れを起こしているような状態です。
しかも今後、水自体は確保できたとしても、計画停電の影響でPETボトルやキャップの生産が追い付かないという理由で商品の製造ができなくなる可能性もあります。
実際にオークワでは、自社工場で「焼きそば」を製造していますが、めんは製造できても、中に入っているソースの製造が追いつかないというような事態が起こっています。
一方、生活者の視点から見れば、電力不足で工場が稼働停止すれば、従業員は自宅待機ということになり、通常通りに給料が支給されるかどうかわかりません。お客様の消費意欲は自然と萎えていくでしょう。
収入が少なくなれば、消費を抑えざるを得ませんから、小売業が厳しくなるという予測だけは確実だと思います。
現在、仕入れの状況も厳しくなっています。このところ発注した商品がなかなか入ってきません。
ですから、現在、飲料については店舗からの発注はストップしています。本部から割り当て一括納品している状態です。
欠品が落ち着いてきたのはコメです。3月19日(土)が販売のピークでした。
この週明けからは発注した分は全部納品されるようになっています。
コメは備蓄しており十分な量を確保しています。ところが、コメそのものは確保していても、包材を調達できないために、製品化できないという事態も否定できませんので要注意です。
いまは、オークワは地元の和歌山県や大阪府よりも、より敏感な中京圏に優先的に商品を送るようにしています。
ニチリウ(大阪府/大桑?嗣社長)も同じです。PB(プライベートブランド)の「くらしモア」を、東日本をメーンに送っています。ヤマザワ(山形県/山澤進社長)、エコス(東京都/平邦雄社長)など。被害が甚大で物資が不足している企業を中心に供給しています。
先行きは依然不透明でありますが、オークワは、しっかりとお客さま視点での商売を継続していく所存です。
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