団塊モンスター、私の生活の中に、現る!
友人が主宰する「テニスサークル」に所属している。
3ヶ月くらい前から、私の知人の知人ということで、60歳定年を迎えた“団塊の世代”の男性が良く顔を見せるようになった。
働き盛り、平均年齢30代後半のサークルだから、週末の練習日のたびに参加するには、みんな忙しい。しかし、彼は、リタイアの身なので出席率が異様に高い。
技術は、「中の上」と、そこそこ。だが、コーチ役をしてくれている上級者との比較ではその差は歴然としている。
ところが、彼は、教えたがり屋。頼んでもいないのに見境なしにアドバイスをする。優しく教えてくれるならまだしも、コーチングを押しつける態度は、“上から目線”。それだけで、それまで開放的だったサークル雰囲気は重いものとなり、仲間たちは萎縮してしまう。ダブルスを組めば、パートナーのイージーミスに対して、不快感をあからさまに顔に出す。
年下をみんな部下だと勘違いしてしまっているか?
そういう口の利き方しかできないのか?
共通の趣味を持つ者たちのサークルだから、みんなの立場は同じであり、上も下もない。しかしそのことが理解できないようで、空気も読めない。
評論家の佐高信さんは、『逆命利君』(岩波現代文庫)のなかで、EC(欧州共同体)の役員に「人間には3つの義務がある。職業人、家庭人、地域人がそれで、これら3つをバランスよく果たさないと我々は市民としての資格をうしなう」と語らせている。
そのバランスを欠いている典型例が、この男性だ。
また、『日経ビジネス』誌(2009年12月7日号)では「団塊モンスター」と称する特集を組んだ。「上下関係のない周囲の仲間を、部下扱いして大顰蹙」(P22)と書かかれており、まさに、この男性を形容しているようだ。
まあ、人との付き合いがうまくできない人間は、いつの時代もどんな場所にもいるもの。“団塊世代”の多くの私生活が、こんなではないと思いたい。
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