ラオックスの銀座松坂屋出店に思う
中国家電大手の蘇寧電器傘下にあるラオックス(東京都/羅怡文社長)は、11月20日(土)、松坂屋銀座店6階に「ラオックス銀座松坂屋店」を開業すると発表した。
店舗面積は1326㎡。家電、海外向け家電、時計、雑貨などを品揃え、羽田空港再拡張・国際化により、ますます増加が見込まれる銀座地区への訪日外国人旅行者の需要獲得を狙うという。
『日経不動産マーケット情報』で銀座エリアの募集賃料を見ると、1か月1坪当たり、建物の1階は約5万円、それ以外の階の場合は2万6000円程度が相場になっている。
その数字を使ってみると、ラオックスの家賃は、1か月約1050万円、1年では1億2600万円見当ということになる。
ラオックスと似たような立地戦略のビックカメラ(東京都/宮嶋宏幸社長)の2010年8月期(単体)決算をみると、売上総利益率25.4%、売上高販売管理費率22.7%、営業利益率2.7%という商売をしている。
すなわち、家賃代に充当する営業利益を稼ぐためには、漠と計算すると47億円を売上げなければいけない。ということは、1坪当たり売上高は1170万円となり、まず到達は難しいと言えるのではないだろうか。
しかも、このビックカメラの数字は「エコポイント制度」の追い風効果に乗ったもの。
前年2009年8月期(単体)の数字を当てはめるなら、売上総利益率25%、売上高販売管理費率23.2%、営業利益率1.8%であり、売上70億円、1坪当たり売上高は1700万円を稼ぐ必要がある。
ということは、出店した時点でほぼ赤字が確定している店舗といえなくもない。
もちろん、住生活グループ(東京都/杉野正博社長)のように「毎年30億円赤字の球団を購入しても広告宣伝費としては安い」という考え方もあるので、銀座の百貨店内への出店を「ダメ」と決めつけることができないから商売は不思議だ。
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