具体策をちゃんと提示してもらわないと…
現在は2011年2月期決算発表会の真っただ中――。
東日本大震災後であり、余震も多発。混沌とした大手町周辺ではあるが、行われるべきことは粛々と行われている。
周知のように決算発表会とは、2010年度を振り返り実績を報告、2011年度の取り組みと業績見込みを証券アナリスト、機関投資家、プレスなどに報告する場だ。
決算発表会は、説明者によってずいぶん趣が異なるものとなる。
しっかりと自社の戦略を論理的に自分の言葉で話してくれる経営者がいる。
一方では、「これは?」と疑問を抱かざるを得ないような経営者もいる。とくに目に余るのは、次のような単語を羅列し連発する経営者である。
「強化」「向上」「拡大」「改善」「注力」「推進」「構築」「努力」…。
たとえばこんな感じだ。
「競争力を強化したい。エリア内のシェア向上をめざし、地域の消費者のベーシックなニーズにこだわる魅力的な店舗づくりに注力する」。
聞くだけだと、「そうか」と納得してしまうが、よく読んでみると何を言っているのか全く分からないことに気付く。
みなさんに、思い当たる節はないだろうか?
実は、例文は、ある上場企業の資料を抜粋したものである。
こうした単語を組み合わせ、具体的策がまったく見えないようでは、きっと誰からも質問は出てこないはずだ。
経営者方々は、自社の決算発表会を省みて欲しい。
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