“一発屋”と総理大臣(前編)
1970年代から90年代にかけては歌手の“一発屋”が多かった。懐かしみながら、思いつくままに挙げてみると…。
70年代は、平浩二さん『バスストップ』、あいざき進也さん『気になる17才』、藤正樹さん『忍ぶ雨』、伊丹幸雄さん『青い麦』、リンリンランラン『恋のインディアン人形』、荒川務さん『太陽の日曜日』、能勢慶子さん『アテンションプリーズ』など。ちなみに『スター誕生』出身の藤正樹さんのキャッチフレーズは、「演歌のハイセイコー」。時代を感じる。
その後、“一発屋”の主戦場は「ヤマハポピュラーソングコンテスト」(ポプコン)に移っていく。デビュー曲以外のヒット曲がない“一発屋”。オーディションに向けて全身全霊で創った楽曲はなかなか超えられなかったのだろう。1年間で使い捨てられるミュージシャンのオンパレードである。
小坂明子さん『あなた』、円広志さん『夢想花』、伊丹哲也とSide by Side『街が泣いてた』、アラジン『完全無欠のロックンローラー』、あみん『待つわ』、TOM★CAT『ふられ気分でRock’n’ Roll』など。懐かしい曲が並んでいる。
90年代以降も“一発屋”が途絶えることはない。。
KANさん『愛は勝つ』、大事manブラザーズ『それが大事』、GAOさん『さよなら』、猿岩石『白い雲のように』、ル・クルプ『ひだまりの詩』、三木道三さん『Lifetime Respect』といった具合だ。
2000年代に入ると、“一発屋”は芸人の世界を侵食していく。
「なんでだろう」のテツandトモ、『佐賀県』のはなわさん、ギター侍の波田陽区さん、「ゲッツ!」のダンディ坂野さん、「そんなの関係ねえ」の小島よしおさん、「フォー」のレイザーラモンHG、「あるある探検隊」のレギュラー、「ヒロシです」のヒロシさんなど枚挙には、いとまがない。
思えば、よくこのギャグで笑っていたと恥ずかしくもあり、懐かしくもある。
小泉純一郎元首相のようなワンフレーズコメント的一発芸が特徴であり、いまもこの流れは続いている。(続く)
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