企業の数だけ企業風土があるから
企業風土というのは、人間の性格のようなもので、十社十色、百社百色であり、企業の数だけ企業風土があると言っていい。
同じ資本のグループ会社同士でも、同一ということはまずない。
企業を取材で訪問すれば、そのことはよく分かる。
「従業員の能力をどこまで出させるか」という会社の雰囲気(=風土)も企業ごとに随分異なる。
80%の力を出せばよしという企業、100%を出し切ることを前提にしている企業、120%の力を発揮したくなる企業とさまざまだが、人間の能力にはそれほど差がないと仮定した場合、企業の風土によって、随分と差がつくのは明らかだ。
たとえば、80%と120%を比較すれば、40ポイント。すなわち、120%を出し切る企業では、一騎当千とはいかないまでも、1人で1.5人分の仕事をこなしていることになる。短期的には凄い競争力を持ちえるが、従業員は入社後の短期間で疲弊し切ってしまう可能性がある。
80%の企業は、ゆるいとみられるかもしれない。しかし半面では、離職率が低く、従業員が安定した力を長く発揮し続けることができるかもしれない。
だから、企業風土の問題は、どちらが良くて、どちらが悪いといった類の話ではない。
必要なのは、自社の企業風土はどうなのかをしっかり把握して、経営者はそれに基づいた戦略を策定していくということだ。
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