「チーム医療」で難病を克服する
どうにもならない難病に罹患したときに実際の治療をしてくれるのは、目の前にいる医師だ。
しかしながら、最近は「チーム医療」という言葉が使われ始め、医師の奮闘以外の力が重要視されるようになっている。原因不明の病には、目に見えない力も動員して闘う、ということなのだろう。
「チーム医療」は3つのチームと多くの人たちから構成される。
1番手となるのは「チームA」だ。これは、医師、看護師、その他の専門医、理学療法師、臨床心理士、薬剤師・栄養士など病院関係者の集団で「アクティブケアチーム(Active Care Team)」と言われ、臨床的に難病と向き合う。
ただ「チームA」ができることはあくまでも病院における治療行為であり、患者の日常生活のケアまでは手が回らない。
そこをサポートするのが「チームB」だ。患者の生活を支える「ベストサポートチーム(Best Support Team)」である。家族、友人、ボランティア、ソーシャルワーカー、患者、患者家族の会、バンクなどで編成され、こころの問題と向き合う。
そして「チームC」は、「コミュニティリソースチーム(Community Resource Team)」。基礎研究者、製薬企業、NPO/NGO、学会などから構成されている。
「チームA」の後方支援部隊のような役割を果たし、難病に立ち向かうために最新鋭の武器開発に日夜努めている。
このように、精神的にも追いつめられる患者を治療するのは、医師だけではないと医学界の認識は改まっている。
難病を克服するために、その周辺にいる多くの人間の共闘が求められているのである。
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