小売業は常に変わり続けなければいけない
和田昭男イズミヤ最高顧問は、1999年に取締役会長を勇退して以来、経営に口をはさむことは一切ないという。
けれども、商売人としては、いまだに現役そのものだ。
話の中では唐突に「モンスラ」なる言葉が飛び出したりする。
「巣鴨地蔵通り商店街では“モンスラ”が流行っているみたいですね」。
「モンスラ?!」と周囲にいた者たちは顔を見合わせ、クビをかしげる。
モンスラとは、“モンペスラックス”の略語。スラックスのおしゃれさを残しながら、腰回りの素材にはゴムを使うなどの工夫で着心地の良さも失われない、お年寄り必須の万能パンツだ。
それほどまでに、和田さんの流行に対する感覚は敏感だ。
「この世の中で不変なものは愛だけです。人間は変わるものですし、それにともなって生活も変わります。すべての価値観も時代や状況に応じて変わります。だからマーケットも変わるのです。ということは、小売業は常に変わり続けなければいけません」。
敬虔なクリスチャンである和田さんが流行に敏感である理由はこんな言葉の中にも見出すことができる。
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは