ゲームのルールをつくる企業
長引く不況の中でも、“勝ち組”企業は存在するから不思議だ。“勝ち組”と“負け組”を分けるものとは何であろうか?
まず、“負け組”企業のほとんどは、(1)問屋丸投げの商品政策、(2)競合店のキャッチアップ(モノマネ)、(3)ローコスト経営の元での人員削減、(4)その結果としての思考力低下により、同業他社との間に圧倒的な差別化を図れないままに、店舗が陳腐化している。しかも店舗はオーバーストアの真っただ中――。
つまり、同質飽和化の渦中にはまってしまった企業こそが、“負け組”の主役だ。
これに対して、“勝ち組”企業のほとんどは、自社でゲームのルールづくりをしてきた企業である。「ユニクロ」「ニトリ」「餃子の王将」は、ともにどのフォーマットにも属さない。企業名がゲームのルールになっているのだ。
業界全体の成長に相乗りする形の成長ではなく、長く自社のビジネスモデルの確立を考え、安易なモノマネをせず、業界の流行に踊らされることなく、オリジナリティを追求して、自ら市場を創造していることが“勝ち組”共通の特徴だ。
(『チェーンストアエイジ』誌2010年3月15日号)
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは