目に見えないものの力
「商品を仕入れる時に最重要なのは品質。そしてまったく同じ品質の商品であれば、安いところから買う。同品質・同価格であれば、情けを重んじたい」とは、ユニーの中興の祖だった家田美智雄さんの言葉だ。
注目したいのは、情けという目に見えない要素を3番目に挙げている点である。
それというのも、私自身が常々、現代経営は数字指標に依存しすぎていないかという疑問を持っているからだ。
確かに数字は分かりやすい。異質の企業風土や経営方針を有する企業を同じ土俵に乗せて比較することができる。実際にその分析を生業にしている人たちもすくなくないのだから、多くの視線が経営数値に注がれていることは間違いないのだろう。
でも、数値には表れない目に見えない力は間違いなくある。
「プロフェッショナルは勝てばいい。目的はそれだけ」といった類の発言をいまだに各所で目にすることがあるが、「負けるが勝ち」「肉を切らせて骨を断つ」という禅問答的あるいはウエットな商売は、まだまだ死んではいない。
人を治める際に法家の教えに従うか、儒家を採るかというような2者択一をも彷彿させるところだが、目に見えないモノの力というのは確実に存在する。
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